介護を学ぶ-7

介護の心構え 無理をしないこと、させないこと

介護というものは一度はじめてしまうと、いつ終わるとも知れない,果てしのない苦行となりがちです。だからと言って、途中で投げ出すわけにはいかないということで、介護によって心身ともに消耗してしまうかたが多く見受けられます。
しかし、介護する側がそうなってしまうと、結果的に要介護者にじゅうぶんなお世話ができなくなってしまいます。
そのため、介護に際しては、1人で全て抱え込まないことが最も重要です。配偶者、兄弟、親戚、友人、知人、地域の医療関係者など、相談できる人をたくさん作っておき、いざということには頼れる環境を築いておきましょう。


公共サービスも積極的に活用します。介護保険の要介護認定の申請を行って、訪問介護などを受けるようにすれば、それだけ個人の負担も軽くなります。
また、要介護者にたいしても同じような細心の配慮が必要です。
親族を介護すると、昔の姿を知っていることから、「どうしてこんなことができない?」という苛立ちや「以前のようになって欲しい」という願望が、介護される側に要らぬプレッシャーをあたえることになります。


そのようなばあいには、「いまはもうできない」ということと「以前とは違う」ということを常に念頭に置いて接するようにしなければなりません。そのうえで、焦ることなく、優しく隣に寄り添い、付き合っていくことがたいせつです。こちらの勝手な思い込みで怒ったり急かしたりしても、相手を悲しませ、惨めなきもちにさせるだけです。


特に何らかの原因でリハビリが必要になったときなど、すぐに結果を出そうとするあまり、本人の意思を無視して、過度な訓練を強要するようなことはぜったいに避けなければなりません。そんなことをしても、障害を重くしてしまうか、違う箇所を傷めてしまうかするのが関の山です。
無理をしない、そして、無理をさせない。これが介護の心構えの基本であり、鉄則だと言えます。

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